食生活

妊娠が判明したときから意識改善・食生活改善を!工夫をしつつ楽しい食生活に

カルシウム

カルイウム不足は産後の開腹が遅れる原因にも…

妊娠と同時に赤ちゃんの骨作りは始まっています。生後6〜7ヶ月で生えてくる赤ちゃんの歯も、 そのもとはお母さんのおかなにいるときからできるというのですから、責任は重大です。

日本人のほとんどがカルシウム不足だといわれています。それは、吸収率の低い植物性食品(大豆など) からカルシウムをとっており、吸収率の高い牛乳・乳製品のとり方が少ないのが原因ではないかと考えられています。

お母さんがカルシウムを充分とっているかいないかにかかわらず、赤ちゃんはお母さんのカルシウムを優先的にとっていきます。 ですから、お母さんは自分と赤ちゃんの分とで妊娠前の1.8倍、一日1000mg、授乳期には1100mgが必要です。 成人1日の所要量は600mgですから、大幅に増やさなければならないことになります。

体の中のカルシウムは99%が骨に含まれ、残りの1%が血液や体の組織などに含まれており、いろんな働きをします。 たとえば出血したときに血液を凝固させたり、精神を安定させたり、酸素の吸収を助けたりするのがその働きです。 妊娠中にこれが不足すると、早産しやすくなったり、分娩の時の出血が多い、産後の回復が遅れるなどの原因にもなります。

妊娠とわかったときから、カルシウムの多い食品を上手に選び、料理にバランスよく使って充分とるように心がけ、 普通の食生活に自然に取り入れる工夫をしましょう。

カルシウムたっぷりの小魚は塩分に注意する

頭から丸ごとたべられるちりめんじゃこやしらす干しはカルシウムをとるうえで、たいへん有効です。 でも気にかかるのは、その塩分。妊娠中はなるべく塩分を控えることが大切ですから、 それらを使うときには、次のような注意点を守るようにしてください。

料理に使うときには、熱湯につけ塩分を抜いてから使うようにします。 また、そのままおろし和えなどにするときは、しょうゆを使わず、 レモン汁だけで味を調えるとか、和えものには塩分少なめのマヨネーズやカッテージチーズなどを使います。 こうすると味の物足りなさを補うことができ、おいしく食べられます。

カルシウムの吸収を助けるもの、妨げるもの

カルシウムの吸収を助けるものにはビタミンD、たんぱく質、乳糖などがあります。 こうした栄養素と一緒に食べることも、毎日の食事の上では欠かせないことです。

またミネラルの一種のリンは、リン対カルシウムが1対1、あるいは1対2の割合が栄養上よく、 カルシウムの利用率が高いとされています。

現在は加工品の多くが、品質の低下を防ぐ目的でリンを添加物として使っています。 リンの摂取量が多くなるとそれだけカルシウムの利用率は悪くなってしまいます。

ですから妊娠中は、即席めん、スナック菓子、清涼飲料水などの加工品をなるべく控えるようにし、 手作りのものを食べるようにしましょう。

鉄分

妊娠中の鉄分不足は赤ちゃんにも大きな影響が

鉄分は血液中のヘモグロビンをつくる重要なミネラルで、酸素運搬に不可欠の物質です。 細胞のすみずみまで酸素が送られて、組織の細胞ひとつひとつが呼吸することで、 生命が維持されているのですから、鉄は充分にとらなくてはなりません。

妊娠中に特に鉄分が必要といわれるのは、赤ちゃんが必要な血液をつくるのに、 お母さんの体からヘモグロビンの主成分である鉄分をとるためです。

バランスのとれた食事をしていると体の中に鉄が蓄えられているので、たりないときには、 そこから体に補給されます。その蓄えがなくなったときに貧血が起きるのです。

普通1日の必要量は成人で10〜12mgといわれていますが、妊娠中は前期で15mg、 後期では20mgと大幅に増やさなければなれません。これが不足すると、赤ちゃんの発育に大きな影響がでてきます。 また、妊娠中の疲労感は、鉄分不足の貧血の人ほど著しく、病気への抵抗力が弱くなり、 分娩時は陣痛が弱く、出血が多くなるなどの原因にもなります。

生まれた赤ちゃんについても、同じことがいえます。お母さんの妊娠中に鉄分のとり方があまりに少ないと、 赤ちゃんの発育は悪くなり、風邪などに対する抵抗力も弱く、育てにくい子どもになります。 怒りっぽい、よく泣く、無気力、無感覚な赤ちゃんも、鉄分不足が原因だといわれます。

鉄分の吸収を高めるために必要な栄養素は

鉄分を上手にとるためのふたつの方法

鉄分の多いレバーを上手に使いこなす

塩分

塩分のとりすぎは高血圧や妊娠中毒症に

薄味になれることが塩分を控える第一歩

カロリー

妊娠中の太りすぎは母子ともに危険

出産を機に太ってしまって、と嘆く人が少なくありません。 日本女性の出産時の体重増加は、妊娠前と比べて平均10〜12kg(理想は7〜10kg)となっています。 分娩で胎児と羊水、胎盤など体外に出る重量は合わせてたった5〜6kgしかありません。 ですから12kgも体重が増えてしまった人なら、残りの5〜6kgは無駄に太ったと言うことになります。

妊娠するとおなかの赤ちゃんの分も栄養をとらなくてはと重い、ついつい食べ過ぎになりがちです。 大切なのは母体や胎児の発育に必要な栄養を充分にとるということで、何でもたくさん食べてよい、 というものではありません。

食べ過ぎ、妊娠中の太りすぎは赤ちゃんに害こそあれ、よいことはひとつもありません。 肥満は糖尿病や高血圧の原因になります。糖尿病の人は、未熟児を生む可能性があり、 お母さんも赤ちゃんも危険な状態になります。

また、血圧が上がると、血行障害が起こり、胎内の赤ちゃんにいい状態で酸素を送ることができず、 酸素不足になることがあります。妊娠には最も恐ろしい妊娠中毒症も、太りすぎが誘因となって起こる病気のひとつです。

そうした病気が、たとえ出なくても肥満は難産の原因になります。 太ってくると体の外側ばかりではなく、骨盤や産道にも脂肪がつき、赤ちゃんが通りにくくなり、 分娩時間を長くすることにもつながります。 長びけば長びくほど母子ともに疲労が重なり、ますます状況をあっかさせるのです。

カロリーを控えるならまず砂糖、油脂から

カロリーを抑えた食事を、とはいってもただのダイエットではありません。 最近では妊娠中に体重を気にするあまり、肉や魚を少なくしすぎる傾向があるというデーターも上がっているほどです。 むやみに食事の量を減らすというのでは、母体にも赤ちゃんにも悪い影響を与えかねません。

おなかの赤ちゃんに必要な栄養素をきちんととりながら、体重が増えるのを防ぐ、 これが妊娠中の低カロリーの目的です。

まず、食品を4つのブロックに分け、その中からできるだけ多くの種類をバランスよく食べることを心がけます。 同じたんぱく質をとるにも、ひとつの食品に頼らず、肉・魚・豆類と利用すれば、 カロリーはおのずと控えることが出来ます。
第1群-乳製品・卵
第2群-魚介・肉・豆・豆製品
第3群-野菜・いも・果物
第4群-穀物・砂糖・油脂
特に第1〜3群までは妊娠中に必要な栄養素-たんぱく質、鉄分、カルシウム、各種ビタミン、繊維などですから、 不足することのないようにしましょう。 もし、あなたが標準のラインよりかなりオーバーぎみなら、 第4群の砂糖と油脂を減らします。それでも効果が出ない場合は、穀物を減らしますが、 穀物にはエネルギー以外に大切な栄養素も含まれていますから、減らしすぎのないように注意しましょう。

体重の増加の目安は標準体重…(身長-100)×0.9より7〜10kg増が理想です。

母乳のための食生活

授乳期の食事にも細心の注意が必要です

妊娠中は食事にかなり気をつけていても、お産がおわってしまうと忘れてしまうという人が多いようです。 でも、母乳がすべての赤ちゃんにとっては、お母さんの食事の内容が頼り。 食事は次のことを守って、よい母乳を出すことを心がけてください。

1.栄養のバランスのとれた食事

質のよい母乳の条件は、やはり栄養バランス。お母さんの偏食は、すぐに母乳の質に影響し、赤ちゃんの栄養補給の 偏りにもつながります。

脂肪、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、鉄分、カルシウムなどのある食品をきちんと食べましょう。 特に、良質のたんぱく質は重要です。良質のたんぱく質を白身魚や豆腐などから充分にとります。

2.過食は避ける

母乳をあげているとおなかがすきます。けれども無制限に食べるのは禁物です。 むしろ低カロリーに抑えるほうがプロラクチン(母乳の分泌を促すホルモン)の分泌がよくなるともいわれています。

3.動物性の脂肪より植物性を

母乳のカロリーを上げるのに、脂肪はとても大切です。つまり、よい母乳には脂肪分が必要なのです。 母乳中の脂肪は、赤ちゃんの成長に大事なものですし、赤ちゃんに満腹感を与えてくれます。

ただし、脂肪分は植物性のものからとるようにしましょう。 動物性の脂肪分は、冷えると固まって、乳管をつまらせてしまうこともあります。 乳管がつまると乳腺が張って痛みが起こり、授乳が困難になります。

4.水分をたっぷりとる

赤ちゃんは1日に500〜1000ccの母乳を飲むので、授乳中のお母さんは水分をたっぷりとらなければなりません。 水分の摂取量が少ないと母乳の分泌にも影響します。 食事にもシチューやスープ、味噌汁など汁の多いものをたくさん取り入れましょう。

おっぱいが良く出る食品

米・穀物

特に胚芽米や精製していない穀類は、繊維・ミネラルが豊富。

いも類

じゃがいも、さつまいも、里いも、山芋などいろんな種類を食べましょう。ビタミンCや繊維が豊富。

緑黄色・淡色野菜

緑黄色野菜はベーターカロチン、淡色野菜はビタミンCが豊富。 生よりも火を通して食べたほうが効率よくたっぷりとれる。

白身魚

鯛、すずき、ひらめ、かれいなどは良質のたんぱく質がある。淡泊なのでどんな味付けでも合う。

つわり対策

ゆったりとした気分でつわりと上手につき合う方法

妊娠とわかって、いざ栄養を充分にとらなければと思っている矢先に つわりが始まって食事ができないということがあります。 自分が苦しいだけでなく、赤ちゃんへの影響を考えるととても心配です。

つわりは個人差で強弱はあるものの、誰もが経験することです。 それに、妊娠初期の赤ちゃんが必要とする栄養素はまだ少なく、 必要なものはしっかり母体からとっていきますから、 赤ちゃんの発育を心配することはありません。

次のことに注意して、ゆったりとした気持ちでのりきりましょう。

1.食べられるものを食べる

つわりのときは食べられるものと食べられないものがはっり分かれます。 栄養のバランスもくずれがちですが、それもほんの少しの間ですから、 気にせず、食べられるときに好きなものを食べておきましょう。

2.空腹は避ける

朝、起きぬけの空腹時に、吐き気がすることが多いようです。 1日3回食べるという考えはやめ、おなかがすいたら食べるというようにするとずっとラクです。

また、朝は軽い食べ物を枕元に用意しておき、少し食べてから起きるとかなり防げます。

3.水分を多めにとる

どうしても食事量が減り、吐くこともあるので、水分の摂取量が減ってしまいます。 体が脱水症状になると尿の量が減り、つわりの症状はますます悪くなります。 食事はできなくても水分は多めにとりましょう。

4.便秘を治す

もともと便秘がちな人は、妊娠するとホルモンの影響などで、さらに便秘がひどくなります。 便秘すると有害なものがたまり、それが吸収されてつわりを余計にひどくします。 規則正しくトイレに行く習慣をつけ、繊維の多い野菜や果物、ヨーグルト、牛乳、 こんにゃくなどをとって、便秘をできるだけしないように心がけます。

5.食後は15〜30分休む

食事をしたら、静かに横になって、食べた物が落ち着くのを待ちます。 食べてすぐ動くと、胃に血液が集中せず、消化が遅れます。 お行儀の悪さは、この際おおめにみてもらいましょう。

のどごしよく、さっぱり食べる工夫

1.冷たいものを食べる

料理が温かいとにおいが気になり、ムカカムする場合が多いようです。 また中途半端に生ぬるいと、かえって食欲を失わせます。 つめたくてもおいしく食べられるものを選んで調理しましょう。

2.酢やレモンの酸味を効かせる

酸味を効かせると意外に食べられたりします。 酢やレモン汁を普段の料理にもおおいに利用しましょう。 また、酸味は新陳代謝を活発にさせる効果もありますから、 だるいときや疲れやすいときにもどうぞ

3.香りや辛味を上手に利用

しその葉やハーブ、唐辛子、カレー粉など香辛料や香味野菜を使い、 さわやかな香りと、ほどよい辛さで食欲をそそる工夫をします。 辛さはほどよく効かせて強すぎないように。

4.ビタミンB1をとる

ビタミンB1は胃腸の働きをよくする作用がありますから、 豚肉や大豆製品など、豊富に含まれている食品を充分にとるようにします。

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